見る 繰り返し塗り写実の幽玄の日本画を生む 奥村土牛の胡瓜畑

 繰り返し塗り写実の幽玄の日本画を生む 奥村土牛の胡瓜畑
 東京メトロ東西線竹橋駅徒歩2分 2018年3月28日(水)見る
 東京都千代田区北の丸公園3番地1号
 東京国立近代美術館
 入館料500円


DSC07529.JPG
〈 胡瓜畑 奥村土牛 昭和2年 幽玄を感じますがやはり写実は単調です 18.3.28撮影 〉

 この作品の表題は、きゅうりばたけ。38歳のときで院展初入選。世田谷の等々力に通って写生を繰返し、絵そのままに、葉の柔らかいふくらみ、その上の白い薬の摸様、ツルの勢いを写実し、重ね塗る画風を確立したという。



DSC07516.JPG
〈 京の家・奈良の家 早見御舟 昭和2年 薄いエッジが外壁面を強調します 〉

 この作品は、右に京都の町家、左に奈良でよく見られた大和棟の家屋を描いています。



DSC07517.JPG
〈 京の家・奈良の家 早見御船 赤橙色の壁が沈む夕日を見るようです 〉

 遠近の法則から離れて右家屋の屋根の横方向の線が水平にひかれています。正確な建物の模写よりも、平面上の造形要素を整理することが優先されています。



DSC07520.JPG
〈 木の間の秋 下村観山 明治40年 木陰にひそむ輝きを感じます 〉

 この作品は、金地を背景に花を付けた葛の木立、下の部分のすすき、百合の花を描いています。つかの間の秋に差し込む光の輝きは、琳派の構図を感じさせます。



DSC07523.JPG
〈  堅首菩薩 菱田春草 明治40年 とぼけた表情にサイケ模様が映えます 〉

 この作品の賢首菩薩は、中国・唐の時代の華厳宗の大三祖となった人です。袈裟の単色のオレンジの部分と青と濃いオレンジがまだらに入った部分は当時の西洋の色彩理論が見られます。



DSC07526.JPG
〈 時宗 今村紫紅 師弟とも拳を握って緊張感があります 〉

 この作品は、弘安の役で右の時宗が祖元に教えを乞うています。陰影がなく、同色系で遠近法がないため、距離が近く二人の緊張感を生んでいます。



DSC07531.JPG
〈 荒園清秋 小川芋銭 昭和3年 枯れた桃源郷を見る水墨画です 〉

 この作品は還暦の作。自宅から牛久沼を眺めた風景で草木や石が主役です。芋銭は、牛久沼にまつわる河童など精霊たちを主題とする作品を多く残しています。



DSC07533.JPG
〈 居醒泉 安田靫彦 昭和3年 目をうっすら開け始めたところです 〉

 この作品の表題は、いさめのいずみ。日本書紀に登場するヤマトタケルが、長い遠征の末、伊吹山の神に襲われて死にそうになりましたが、この居醒泉を飲んで生き返りました。靫彦がライフワークにしたヤマトタケルの第一作目です。

<評価55クラス>
 奥村土牛は、明治22年東京・京橋生まれの日本画家です。16歳から日本画家に師事し、入選を繰り返し、美術学校の講師や教授に就任しました。筆名の土牛でわかるようにこだわりが強いのか、顔料の胡粉(ごふん)などを100回や200回も塗り重ね、非常に微妙な色加減に成功しました。101歳まで生きて、その後、作品に課せられた巨額の相続税に子息が悩んで、スケッチを焼却処分し話題になったという。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント