JR東北線上野駅徒歩9分 2019年7月13日(月)拝察
東京都台東区上野公園13-9
東京国立博物館内
入館料620円
〈 通俗水滸傳豪傑百八人一個・混江龍李俊 歌川国芳 19世紀 李俊が舟を持ち上げ乗っている虞候を投げ飛ばす場面 李俊の顔と立ち上る水しぶきが印象的です 2019.7.13撮影 〉
この作品は、歌川豊国門下であった国芳が初めて出世した水滸傳シリーズのものです。混江龍李俊は梁山泊第26位の豪傑で、泳ぎに優れた水軍の総帥です。武者絵シリーズは、アメリカなど世界で大人気です。
〈 時世江戸鹿子・薬研堀 金毘羅 歌川国貞 19世紀 着物は汚さない及び腰です 〉
この作品は大判の錦絵で、美人画・役者絵で活躍した国貞が江戸の美意識を描いています。
〈 火焔型土器 新潟県長岡市馬高出土 縄文時代・中期 縄文の装飾はすごいです 〉
この土器は、上の部分の取っ手が複雑に燃え上がる火炎のようなので名前が付きました。
〈 霧(裸婦) 中沢弘光 明治40年 中性的な人物で叙情感を出しています 〉
この作品は、裸体を意欲的に正面からとらえ、外光表現を取り入れた明るい色彩に仕上げています。
〈 金銅火焔宝珠形舎利容器 銅鋳造・ 鍍金銀 鎌倉時代14世紀 中位の火焔につつまれて雄大さが感じられる見事さです 〉
この作品は、蓮弁上に輪宝をのせ、舎利を入れた火焔付き宝珠を置く珍しい形の舎利容器です。
〈 金銅輪宝 銅鋳造 鎌倉時代・13世紀 外輪の八角が武器の名残です 〉
この作品は、密教法具で壇の中央のやや上寄りに1個を置きます。古代インドの回転する車輪が敵をなぎ倒す武具に由来があり、煩悩をなぎ倒す象徴とされています。
〈 鳥蒔絵螺鈿八角菓子器 白山松哉 1912年 漆芸の極みを尽くしています 〉
この作品は、研ぎ出し蒔絵で、黒の蓋に飛ぶ鳥が刻んであります。八角の側面は、 5段の帯状に渡って、素材や文様を変えて漆芸装飾がされています。
〈 梅蒔絵硯箱 白山松哉 大正時代 金研ぎ出し技術にめまいがする見事さです 〉
この作品は、東京美術学校の教授を務めた松哉(しょうさい)の幼い頃から学んだ蒔絵技術を示す、繊細を極めた梅の木の硯箱です。
<評価 60クラス>
歌川国芳は、奇想天外なアイデア、確実なデッサン力、画想の豊かさ、斬新なデザイン力で、江戸時代を代表する浮世絵師です。この水滸傳シリーズで描いた武者絵が評判になってからは、確実なデッサン力を生かして武者絵三国志シリーズ、美人画、役者絵、妖怪シリーズなど人気絶頂で、質素倹約をうたう幕府に目をつけられました。それでも、幕府を風刺し続け庶民のヒーローになり続けました。風景版画で有名な歌川広重とは同年の生まれであり、同時代に活躍しました。
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