拝聴 貴重なインタビュー古今亭志ん朝 初出し音源25席

 貴重なインタビュー古今亭志ん朝 志ん朝初出し音源25席
 ソニーミュージック音源TBSラジオ 2009年12月9日(水)拝聴
 価格25,200円
 

 アナ1 : 志ん朝さん、ちょいと、こちらにお願います。おつかれさまです。(場内 拍 手)
どうもどうも。しばらくでしたですね~。ひさしぶり、この番組に。


志ん朝 : え~、ずっと、あれ去年か一昨年くらいですね。

 アナ2 : なかなか、時間がね。みなさん、大熱望だったんですよ。(会場、拍手)
 さっき、ちょっとご紹介したんですけども、お父さんの志ん生さんの十三回忌。


志ん朝 : えっえ~、この9月に十三回忌。え~早いですね。う~ん。


《 話芸の天性の達人を父志ん生は見抜いていたでしょう 》


 アナ3 : もう小さい時から、とにかく朝太の時からお父さんの側でこの道の修行が始まった訳でしょ?。

志ん朝 :  う~んと、まあ、そのねえ~。修行と言っても、僕はそんなに小さい頃じゃあないですからねえ~。

もう、高校を卒業してからですよ、私の場合はねえ。

え~、この商売がいやでいやでしょうがなかったもんですからねえ~。

ず~とその、おやじはどう言う訳ですかねえ、なれなれ、なれなれって勧められて。

まあ、はじめれば、やっぱりなんかねえ。

一所懸命やらなくちゃいけないってとも思ったし、その気にはなったんですけども。

う~ん、だからあの歌舞伎の方のね、社会みたいに、小さいうちからそういうお稽古をしてとか、そんなようなのはないんですけど・・はい。

ただあの、うちの中のしきたりがね、え~あたしと同年代の、え~友達なんかの家行くと、もうその頃でも、もう~亭主が出て行く時に女房がね、あの火をねえ、切り火をするなんていうのはね、そんなのないでしょ。

それがうちではありましたしね。

え~、長火鉢なんていうのは、ごく自然のね、暮らしの中にあったりとか・・。

え~、だからそういうことは、修行してないんだけれども自然に、教わったものというのは、あるようなねえ、気がしますね。

 アナ4 : 環境の中で身にしみちゃっているようなね。お兄さんの馬生さんの方は落語は好きだったのかしら、落語は。はじめから落語家になろうと思ってたんですかね。

志ん朝 : ちょっとやっぱり兄貴も違うみたいですよ、え~え。

兄貴はね門前の小僧なんですけれども、あたしも門前の小僧なんですけれども。

ちょっと2,3席憶えたらしいんですよね、戦争中、うちの兄貴はあの~なくなりまして、もう3年なるんですけども、ご存知の方はへえ~とびっくりされるんですけどもう、非常な硬派だったんです。

それでね~、その頃のことですから、袴をはいてね、かすりの着物かなんかはいてね、朴葉をはいてね、ほいで学生帽の頭の上をね、昔はよくやりました、テカテカに光らしてね、腰に手ぬぐいを下げたね、宗主風の友達なんていうのがよく来てね、ほいで兄貴もおんなじようでしたよ、そのころの顔なんて見ると怖いくらい。

眉毛がなんかつり上がってね、お国のために捧げた命だみたいなこといってね。

みんな結局、その当時は仲間がどんどん特攻隊に行ったりなんかすると、自分がのほほんと、していられないんでしょうね、気持ちの上で。

ちょうど、物思う年頃ですから、自分が。今の若い人たちの考えだったら、うまい具合に逃れてよかったなんて思ってるかも知れないけど。

その自分はなんか、あいつが行ったら俺も行かなきゃアみたいなところかあったんだと思うんですよ。それで自分から志願するって言い出して。

で、おやじが弱って、よせよ、お前そんな、つまんないよ、なんてことを言ってね、やってましたけど。(志ん生の真似に場内爆笑)おやじは本当弱ってましたよ。

それがなんでですかね~、あの、おやじの代わりにね、どっかの工場の慰問に行ったんですね、軍需工場かなんかの。


そしたらそこでもってわずかばかりの、まあの、今で言うギャラとですね、それからあのお菓子となんか、折詰
の弁当を貰ったって言いましたね。

で、物の無い時代だからそれが嬉しくってね、食べ物から噺家になっちゃった。

で、まあそうなったら踊りのお稽古したりね、長唄の稽古したり、それからお茶だ、お花だ、なんて言うのをやっているうちに、みなさんご存知の馬生になっちゃったんですね。

だからとても想像つかない。もうこうなって、こんなになってていう感じの人がねえ、昔こんなになってたとはとても想像つかない(所作に会場笑い)。
 
 アナ5 : てんで想像つかないですねえ。で、弟さんの方は根暗軟派。

志ん朝 :  いえ~ええ、私の方は本当だめですねえ。

だめって言うのはえ~え。

え、なんて言ったの? 軟派って言ったの?すごい言葉使うんですね~。

 アナ6 : 硬派って言うから、軟派って言ったの。

志ん朝 : あ~あ、そうすか。あたしもね、どっちかっていうと、高校の頃なんかはねえ、硬派でした。

て言うのはねえ、想像つかないかもしれないけど、軟派っていうのはしたいって気持ちはものすごくあるんです。

今でもあるんです。

でも、照れが高じて硬派になっている人っていっぱいいるんです。

なんか女の人の前でやさしくしたりね、世辞遣うということ自体ね、僕らの年代だと照れくさい。

だからわざとその、こういうふうになってみたり、こうなるんです(会場笑い)。

やっぱりやりましたよ、あの、うちの人に内緒でフライパンにね油をこう引いて火つけて帽子をこうしてジュッっという、あれが光ってないと幅がきかない。

それでね、徽章を隠すように前のほうを潰してね、よくやりましたねえ~。

 アナ7 : 本当に好きな女の子だったら、よけいにねえ冷たくあたって。

志ん朝 : 冷たくあたって、向こう行けなんてね。行くととっても寂しかったりしてねえ。(笑い)

今でもそうですね。しかし、このごろだんだんとね、見栄がなくなってきてねえ、お願いなんて言ったりして。

もう、見栄はっている年じゃないですね。もうこれから先の人生考えると恥も外聞もなくなっちゃってきて。

 アナ8 : お弟子さんもね、今度真打二人ね。お忙しいでしょうけど、また頑張ってください。 

志ん朝 : ありがとうございます。

 アナ9 : また、出てください。(場内 拍手) ありがとうございます。

<評価 85クラス>
 志ん朝師匠はすべてに芸達者であるが、インタビューはあまり好きでない。親譲りの天才にあっては、落語界のことや私生活は語りにくい。ただ、久米さんのニュースステーションのインタビューに出ていたのがいい思い出になる。本心がところどころ出ていて、久米さんの巧みな話術を見た気がします。

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