法学 民法 債権準占有者に対する弁済の趣旨と判例による運用の変遷


 民法 債権準占有者に対する弁済の趣旨と判例による運用の変遷
1 債権準占有者に対する弁済
  債権者らしい外観を有する者を、正当な債権者と信頼して弁済した者を保護し、債務の弁済の迅速性・安全性を図る趣旨である。

2 本来の受領権者が別個に存在するわけであるから、本条文は一種の例外にあたり、要件も厳格さを要する。
 要件と判例を記す。
(1)債権の準占有者に対する弁済であること
 準占有者とは、債権ではないのに取引観念上債権者らしい外観を呈する者をいう(最判昭48.3.27)。
*判例
・無効な債権譲渡における譲受人(大判大7.12.7)。
・表見相続人(大判昭15.5.29)。
・預金証書と印鑑を持参する者(最判昭41.10.4)
(注)届出印のみ持参する者は準占有者とは言えない(最判昭53.5.1)。
・偽造された債権証書を持参するものでもよい(大判昭2.6.22)。
・指名債権の二重譲渡において、対抗要件で劣後する譲受人(最判昭61.4.11)。
・詐称代理人を含む(最判昭37.8.21)。


《 銀行は預金証書と印鑑を持参する者には支払ってよい 》


(2)弁済者が善意無過失であること
 条文上は善意のみしか明記されていないが、立法の趣旨及び480条とのバランスからみて、無過失も要件とされる(最判昭37.8.21、最判昭41.10.4)。

 
(3) 弁済であること
 478条は本来、日常的に行われる弁済について、外観信頼の法理から、弁済者の保護を図った規定である。
 しかし、判例は銀行が定期預金を担保として預金者に貸し付け、貸付金の返済がないので預金と相殺したところ、預金者が真実ではなかったという非弁済行為にも適用し銀行を保護している(最判昭48.3.27)。
 そして、この場合の善意・無過失の判定時期を貸付等の契約締結の時点であるとしている(最判昭59.2.23)。
 また、債権の準占有者への弁済が有効となる時は債権は消滅し、準占有者は債権者に対し返還ないし賠償義務を負う。弁済者が弁済した後になって真の債権者でないことに気づいても、準占有者に返還を請求はできない(大判大7.12.7)。
 この意味で、478条による債権消滅は絶対の効果があるといえる。

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