拝見 天才歌人の劇的生きざま 寺山修司過激なる疾走 

 天才歌人の劇的生きざま 寺山修司過激なる疾走
 月蝕歌劇団2007年8月公演DVD 拝見
 価格4,935円 120分

 寺山修司 過激なる疾走 脚本・演出 高取英 月蝕歌劇団
 原作 高取英『寺山修司 過激なる疾走』 新宿・紀伊國屋ホール

 寺山修司は12歳の時、母と別れ別れになった。寺山は自分を語るとき、虚構を意識して語る。せまりくる病魔と闘いながら駆け抜けた彼の本当の心情はなにか。100年先を意識して現在の自分の感性を訴えています。


〈 演劇のDVD化は快挙 紀伊国屋ホールの臨場感が伝わります 〉

 本業を問われると「僕の職業は寺山修司です」と返すというのは有名です。言葉の錬金術師の異名をとり、膨大な量の文芸作品を発表。その一方で、映画・演劇なども幅広く手掛けました。


〈 青森三沢の寺山修司記念館 外観無数の絵やメッセージが貼ってあります 〉

 打ち込んだ仕事(小説・エッセイ・評論・戯曲・シナリオなど)、そして競馬、ボクシングなどがどれも本気で取り組んでいる。100年先を見込んで全力で疾走します。

 彼の残した色紙の言葉に、「百年たったら帰っておいで 百年たったらその意味わかる 寺山修司」に、人生にかける彼の気概が現れていると思います。

 月蝕歌劇団は1986年に高取英により旗揚げし、2006年に20周年を迎えた日本の劇団です。
 高取英の作品の他、寺山修司、澁澤龍彦、埴谷雄高、沼正三などの幻想文学系の作品、竹宮惠子、梶原一騎、新田たつおなどのマンガ作品を演劇化しています。

 出演 三坂知絵子・一ノ瀬めぐみ・平良千春・木塚咲・合沢萌・藤田実加・竹内のぞみ・四天王寺紅・大島朋恵・笹生愛美・美弥乃静・しほの涼・有村深羽

 高取英は、寺山修司の生涯を演劇にするという困難な課題に、ストレートな精神と方法とで挑戦したが、寺山修司がそこにいるかのような舞台でした。

 舞台では、オスヴァルト・シュペングラーの「去りゆく一切は比喩にすぎない」ということばが何度となく繰り返されたが、寺山修司の著書や映画の記憶、また、紀伊國屋ホールの後ろに立っていた在りし日の寺山修司など、さまざまな映像が往来していた。

  平良千春がよかった。月蝕歌劇団の第8代トップだった長崎萌を改名した人。ちなみに双子座のB型の人で、姿勢がよくてかっこいい。

 寺山は短歌にその才能をいち早く見せたが、基本的にリズムを大切にする人である。詩、俳句、評論を読むとどんな短編でもリズム感が卓越しています。それと他者の真似できない比喩力に尽きます。ファンであるがほど遠い。

 「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」

 「売りにゆく柱時計がふいに鳴る横抱きにして枯野ゆくとき」

<評価 100クラス>
 大きく心をゆさぶられる劇でした。少年期のネフローゼ入院で自分の短命を意識したのであろう。人生を過激に疾走することを意識した寺山。色紙の言葉「百年たったら帰っておいで 百年たったらその意味わかる」に生きるべき気概が示されている。
 哲学的なことを考える時間など彼にはなかった。人生を選ぶのではなく、競馬やボクシングなど自分に与えられた事象を全力で考え抜いて生きる。人生を精力的に生きようとする姿勢に感動した。

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