法学 普通法と特別法及び原則法と例外法の関係

 普通法と特別法及び原則法と例外法の関係
1 法の類型
  わが国にはたくさんの法があるが、体系や基準をどうとるかにより、いくつかの類型を作ることができる。成立過程に着目すると成文法・不文法になり、法の内容で分けると国内法・国際法あるいは公法・私法という分類が成立する。

この分類の体系化において、普通法・特別法あるいは原則法・例外法という類型が生じ、法の効力がどう及ぶかに着目した分類と言える。


《 法曹界への登龍門 司法研修所 埼玉県和光市にあります 》
 
2 普通法と特別法
 普通法と特別法の区分は、法の効力範囲が一般的であるか、あるいは特殊的・部分的であるかによる種別である。普通法は一般法とも呼ばれ、人・場所・事項などについて一般的に広い効力範囲を持つ法を言い、特別法はこれらについて特殊な狭い効力範囲を持つ法をいう。 

 例えば、人を基準とするとき一般の人々に適用される民法・刑法などは普通法であり、特殊な人だけに適用される皇室典範や国家公務員法などは特別法である。また場所について言えば、全国に施行される民法・商法などは普通法であり、地域指定性の強い騒音規制法は特別法と言える。

 なお、事項を基準とすれば民法は普通法で商法は特別法であり、民事訴訟法は普通法で人事訴訟手続法は特別法である。しかし、この分類区分は相対的である。商法は民法の特別法であるが、同時に銀行法や保険業法に対しては、普通法の地位にあると言える。

 普通法と特別法の区分は法と法の間だけでなく、同一法令内の規定間にも存在することがある。例として、民法97条と526条の関係がある。

(普通法)民97条「隔地者に対する意思表示は通知が相手に到着したときから有効となる」
(特別法)民526条「隔地者間の契約は承諾の通知を発信した時に成立する」
 普通法と特別法を区分する実益は、一定の社会関係に適用される普通法と特別法が同時にある時、特別法が普通法に優先して適用される点にある。これを「特別法優先の原則」という。 
例えば、
例1(普通法)刑法204条「人の身体を傷害したる者は10年以下の懲役又は500万円以下の罰金若しくは科料に処す」
(特別法)爆発物取締法罰則1条「治安を妨げ又は人の身体財産を害せんとする目的を以て爆発物を使用したる者は死刑又は無期若しくは7年以上の懲役又は禁固に処す」
例2(普通法)民法167条「債権は10年間之を行わざるによりて消滅す」
(特別法)商法522条「商行為によって生じた債権は、この法律に別段の定めがある場合を除き、5年間行使しないときは、時効によって消滅する」

3 原則法と例外法
ここで、普通法と特別法の区別と混同しやすいものに原則法と例外法がある。
 「原則法」は一定の事項について一般的に適用される法であり、「例外法」は 除外例の事項について特別に適用される法である。

例えば、各種の法令中の但し書きは、多くの場合例外法を定めている。また民法1条の3と721条、866条との規定の中に但し書きの例が認められる。
(原則法)民法1条の3「私権の享有は出生に始まる」
(例外法)民法721条「胎児は損害賠償請求に付いては既に生まれたものとみなす」
(例外法)民法886条「胎児は相続については、既に生まれたものとみなす」

権利能力の発生という事項について、前者は一般的に適用される原則法であるが、後者はその例外を定めた例外法である。

 その他に民法709条は「不法行為により生じた損害は賠償責任を負う」と定めているのに対し、失火責任に関する法は「失火の場合、民法第709条の規定は重過失ある時以外は適用しない」としている例や、法例1条「法律は公布の日から20日を経て施行するが、法律自体に施行時期がある時はその定めによる」の規定など多くの場合がある。

 例外法と原則法を区別する実益は、例外法は厳格に解釈することが要求され、みだりに類推や拡張解釈をしてはならないとされ、また挙証責任の点からも区別が必要となる。この区分は限られた特定の事項についてのみ原則と例外を定めたもので、普通法・特別法のどちらにも存在するし、但し書きや同一法令内にある場合も多く、範囲が狭いという点でも普通・特別法の区分とは異なるといえます。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック

オークリー
Excerpt: 法学 普通法と特別法及び原則法と例外法の関係 環境カウンセラー【現代研究ブログ】/ウェブリブログ
Weblog: オークリー
Tracked: 2013-07-05 16:44