地球と環境問題4 地球の内部構造を知るための間接的直接的方法

地球の内部構造を知るための間接的直接的方法について

地球の内部構造を知るもっとも確実な方法は、直接大地を掘削して調べる、いわゆるボーリングである。しかし、ボーリングから得られる地球の情報は点的であり、平面的・立体的な情報は得られにくい。現在、内部構造を知る直接の手掛かりは、ほとんどが地震波の観測から得られている。

 1 地球の内部構造をみるための地震波
 地震を観測すると、まず上下動成分が卓越した波群が記録され、次に水平成分の多い地震が記録され、最後に比較的ゆっくりした波が得られる。最初に観測される周期の短い二つの波群は、波長が数km以下で実体波と呼ばれる。最後の波群は、波長が数km~数10kmと長いもので表面波と呼ばれる。実体波は最も理想化した弾性体、すなわち無限に広がる等方で均質な完全弾性体を用いて基本的性質を理解することができる。この理想化した媒質は、3つのパラメーターつまり、密度(ρ)と2つの独立な弾性定数を指定すると完全に記述できる。弾性定数はたとえば2つのラメの定数(λ、μ)、あるいは体積弾性率(k)と剛性率(μ)を 用いる。このとき2つの独立の弾性波、縦波と横波が存在する。縦波は体積変化を伴い、振動の方向が波の進行方向に平行であり、横波は体積変化を伴わず進行方向と直交する面上で振動する波である。縦波が伝わる速さをVp、横波が伝わる速さをVsとすると、
Vp=√(λ+2μ)/ρ
      Vs=√(μ/ρ)
である。この式よりVpがVsより大きいことがわかる。記録の順に、縦波はP(primary)波、横波はS(secondary)波と呼ばれる。S波は剛性率(μ)が0の媒質、つまり流体内では伝わらない。VpもVsも媒質の定数だけの関数だから、異なる周波数成分の波も同じ速度で伝わり、波の形が変化しない(分散性がない)。等方な弾性体では波の進行する方向は波面と直交し、波線と平行である。さらに、等方で均質な媒質では波線は直線になる。
 一般に、不均一媒質では波線は直線とはならずに幾何光学のフェルマーの原理に従う曲線になる。すなわち、2点A,Bを通る波線はA,Bを結ぶ曲線のうちで伝播に要する時間(走時)が最小のものとなる。この原理を用いると、2つの半無限媒質が平面境界で接している場合の境界での反射と屈折の法則を求めることができる。境界面に媒質1から媒質2に波が入射した場合、入射角(θi)と反射角(θr)、透過角(θt)の関係は、
θi=θr
Sinθi/V1=Sinθt/V2
となる(スネルの法則)。ここで、V1は媒質1を伝わる波の速さ、V2は媒質2での速さである。このスネルの法則を用いて、地球内部を通る地震波線を追跡することにより、地震波の速度分布を知ることができる。具体的には震源からの距離と走時のプロット(走時曲線)を各地の観測所からの到達時間から作成し、それを数多くの地震と観測データを集積することで、地球全体の地震波の速度分布を知る手法である。



《 マントルは一部溶融の固体 外核は液体 内核は固体でできています 》

  2 地球の層構造
1 地球内部の弾性速度分布 
  地震波の観測で、地球の地震波速度分布を推定することができる。速度分布の特徴の一つは、深さと共に速くなるということである。地球の速度構造は半径方向に不均一性が大きいことになる。Bullen(1942年)の分類によれば、地球は次の6つの球殻からできている。つまり、地表から順に地殻、上部マントル、遷移層、下部マントル、外核、内核である。これは地震波の解析より求められた、速さが不連続に変わる領域に基づいている。

2 地球内部の構成物質
 地震波の深さ分布を用いると、地球内部を構成する物質の密度や弾性定数を計算することができる。天体観測データから要請される地球の全質量、慣性モーメントなども拘束条件として用いられる。この密度の計算結果と実験室での高圧高温実験を比較し、地球内部の構成物質を推定している。
地殻:一般に、大陸地殻は花崗岩質の岩石からなる上部地殻と、玄武岩質の岩石からなる下部地殻から構成さ
れている。どちらも堆積物に覆われることが多い。
マントル:マントルは珪酸塩鉱物と金属の酸化物で構成されている。上部マントルはS波を伝えるから固体である
が、低速度層ではS波の減衰が大きいことなどから部分溶融が起きている可能性が高い。
核:核の密度はマントルよりはるかに大きい。また、外殻はS波を通さないことから液体と考えられる。内核は固体
と見られ、成分はともに少量の硫黄やニッケルを含む鉄の合金と推定される。

 まとめ 地球深部の探り方には、次のような方法がある。
1 ボーリング  実際に掘ることで地球の深い部分を見る。
2 深部由来の岩石  本来地球の深い部分にあり、地表に出ている部分を調べる。
3 高温高圧実験  人工的に地球深部を再現する。
4 地震波  波の性質を使い、地球内部の構造を見る。
  しかし、一般に、規模が大きく大量の情報が得られることから、4の地震波を観測する方法が用いられている。

  こうして分かった地球の構造は、
1 地球の一番外側には地殻がある。その内側にマントルがあり、その内側に鉄でできている核がある。
2 外核は液体でできていて、内核は固体でできている。
3 鉄でできた外核が対流することによって、地球は大きな磁石になっている。
  などのことが、分かってきている。

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