環境 環境監視の方法 自治体の試み

 環境の常時監視の方法 自治体の試み
 条例上の公害規制が実効を発揮するには、工場等に規制基準その他の義務を確実に遵守させることが肝要です。そのためには、地方公共団体はテレメーターその他の監視機器を随所に設け、常時公害の発生状況を的確に調査し、義務に違反している工場に対しては迅速に改善命令その他の監督上の処分をして義務の履行を確保しなければなりません。今日では公害監視機器の発達により公共団体の監視測定体制が整い、情報の把握が容易かつ確実になったため、公害の監視がかなり実効的なものとなっています。

1 自主測定義務
 公的機関による工場の外からの監視だけでは公害発生状態を正確には把握しえないため、公害防止条例の多くは、工場内部における公害発生状況につき工場側に測定監視する義務を課し、情報の収集に役立てています。その1つが、報告徴収権であって、たいていの条例は、工場に対し条例の施行に必要なかぎりにおいて操業の状況、汚染物排出の状況やその処理方法などにつき報告を求める事ができるとの規定をおいています。また、報告の適正を期すために、工場主に対し、公害発生施設の排出口における汚染物の量または濃度、あるいは工場敷地の境界線における騒音、悪臭、振動等の状況を常時継続的に測定し記録する義務を課していることも多い。
報告の徴収は通常定期的に行われますが、条例違反の疑いがあれば、随時報告を求めることができると解してよいでしょう。工場側は正当な理由なく報告を拒んではなりません。報告を拒んだり、虚偽の報告をした者に対しては罰則がおかれています。



《 環境監視局 費用はかかる 監視は環境管理に役立てるために実施します 》

2 自治体の立入検査
 つぎに多くの条例は、工場等を実地調査する必要がある場合にそなえ、公共団体の職員に工場への立入調査の権限を認めています。いかなる場合に立入できるかについて条例はその要件を明示せず、条例の施行に必要なかぎり随時工場施設に立入り、帳簿書類、機械、設備その他の物件を検査することができると規定するものが目立ちます。しかし、立入調査は相手方の自由への重大な侵害であるから、申請に係る計画や報告の真偽に疑いがもたれる場合とか、操業方法や施設に条例違反の疑いがもたれる場合など立入検査の具体的必要性が認められる場合にかぎって許されるものと解すべきです。犯罪捜査のためその他公害以外の事項を調査するために、立入ることができないことはいうまでもありません。立入調査を実施する職員は身分証明書を携帯し、要求があればこれを呈示しなければなりません。
 立入調査は講学上の即時強制にあたり、工場側は正当な事由がないかぎりこれを拒むことができません。立入検査を拒みあるいは妨げたときは、罰則が適用されます。しかし、工場側が立入りを拒む場合に、公共団体の職員が実力を振って抵抗を排除し立入りを強行できるかについては、争いがあるところですが、立入調査の目的が緊急の危険防止にある場合は格別であり、その目的が情報収集にあるにすぎないときは、おそらく消極に解すべきでしょう。職員が実力を振って立入りを強行すれば、民事上の不法行為となるほか、刑法上の犯罪(暴行罪、家宅侵入罪)を構成する場合もありうると考えられます。

3 地域住民の監視  
 公害の調査と監視は公共団体が実施するのが原則ですが、公害の監視をもっとも的確に果しうるのは、住民の眼であるといってよいでしょう。これまでも住民からの通報によってかくれた公害が発見された事例は少なくありません。また、原理的に考えても、そもそも公害行政は、地域住民の環境権を公共団体が守るところにその本来の目的があります。そうだとすれば、公害行政の運用においては、住民からの通報・陳情を単に事実上のものにとどめることなく、地方公共団体に対する調査ないし規制の請求権としてこれを法的に承認することが、公害行政を真に住民のものとするために不可欠なものとなるわけです。
 こうした必要が認識されるにつれ、最近の条例の中には、日常的な公害行政の中に住民参加の要素をなんらかの形でとり入れていこうとする傾向がみられるに至っています(大阪府、北海道、三重県など)。住民の声を都道府県レベルの環境行政の執行に反映しようとする試みとして評価されてよいでしょう。

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