河川における異常水質事故の対応

 河川における異常水質事故の対応

1.水質事故対応のとらえ方
 ・ 環境対策の保全措置ととらえる。躊躇する必要はない、消火活動と同じ。
国・県・市町村が対応に当たり、全力を尽くす。

2.現地出動時の心得
・ 無理をして出動体制をとらない。対応は予断を許さないため、平常心で臨む。
・ 初動時に迅速に出動できない場合は、最寄りの公共機関(支所・公民館等)を
活用し、現地の状況を確認させる。
・ 第一調査者(関係機関)の判断を優先する。公務員でかつ、現地の平常時を知る人ができる。
第一調査者はできるだけ、必要な対応を漏れなく指示する。



《 確実な情報をもとに情報発信・対応連携するには住民の情報だけでは不安定 第一調査者(公共機関)の確認を得る方が原則 一般人に正確な情報提供の義務は課せられない 情報信頼性とTPOを考えながら迅速・確実な対応を強めます 》
 
3.現地対応時
・ 採水やオイルマット敷設では無理をしない。疲労は、誤った判断や事故を招く。
水質事故に武勇伝はいらない。

4.現地調査時の判断
原因究明をすることが再発防止につながる。
① 油の流出

・ 原因不明が多い。日頃の監視が重要である。
・ 安易に不法投棄としない。
・ 油の流出の特徴を知る。油が草につくなど、形跡が残る。跡をたどることができる。
・ 採水の分析で判ることは意外に少ない。

② 魚類の浮上・へい死

・ 原因物質が不明の場合が多い。魚類を解剖しても、原因解明につながる情報は少ない。
・ 初期採水(事故発生時)が重要であり、他は意外と利用価値が少ない。
・ 有害物質流出の特徴(シアン・酸・アルカリ・塩素・フェノール・酸欠)別記を知ること。

5.魚類の判定
 1. 外観による死因の判定

異種の薬物によっても同じ症状が現れる場合があり、逆に同じ薬物でも濃度やその他の条 件によって症状が異なる場合があるので、一応の目安にはなるが、外観のみで判断することはできない。
しかし、判断の目安として、若干の特徴をあげると次のとおりである

(1)物質と症状

ア シアン   鰓が鮮紅色を呈す、100ppm以上の濃度で鰓から出血する

イ 酸     体表粘液が固まる
   例 硫酸→灰白色  硝酸→黄色
   低濃度では白色を呈する 高濃度の酸であれば鰓から出血する

 ウ アルカリ  PH11以上では体表面から粘液が多量に出る。鰓から出血する

エ 酸素不足  初期症状としては、鼻上げ状態を示し、更に進むと狂奔し窒息死する。
口を一杯に開いているものも見られる。鰓がうっ血し、暗赤色~褐色を呈することが多い。

 オ ホルマリン 鰭の先が黒くなる 

(2)現状から推定される物質等

ア 狂奔して泳ぎ岸辺の泥や草巖に頭を突込んで斃死  薬物による疑いが強い

イ 魚類が斃死、甲殻類が生存 有機塩素剤の可能性 消毒剤

ウ 甲殻類が斃死、魚類が生存 有機燐剤の可能性 農薬系

エ 魚体の破損が数多く見られる 爆発物の可能性

オ アユ、コイ、フナ等魚種:魚形がそろっている 放流落ち 養魚場の不法投棄

カ 魚体の頭部、鰭等にスレがある 病気による(養殖魚に多く・自然魚には少ない)

キ 春先、夏の早朝に湖沼、池、非潅漑期の農業用水等における斃死 酸

ク 現地水域の臭気 着色 立地工場 前日ごろからの天候(日照、降雨)

6.まとめ

水質事故対応は、再発防止に向けられなければならない。
情報提供を惜しまず、日頃の監視を大切にする。
迅速な対応のため、初動時に他機関と分担して現地確認することが大切。

7. 参 考
  背鰭 脂鰭(さけ、ます類)


                   胸鰭


  腹鰭 尻鰭 尾鰭
 
TLm:(median tolerance limit) メディアントレランスリミット
魚類に対する急性毒性を示す値で、魚類を急性毒性物質の含まれている水で
、一定時間飼育し、その間に供試魚(10尾以上)の50%が生き残りうる物質の濃度     例 24時間TLm5ppm

LD50:(lethal dose 50value)リーサルドース50バリュー
農薬その他の薬品の急性毒性を示す値で、供試哺乳動物に対し 経口または経
皮毒性試験を行い 100匹のうち50匹が死ぬ量(2週間)

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