騒音公害及び悪臭公害の概論と対策

騒音公害及び悪臭公害の概論と対策

1 騒 音 編
1.1 騒音公害の現状と施策
 騒音の定義と騒音公害の特徴
騒音:好ましくない音
第1の特徴  ほとんどが主観
第2の特徴 局所的、多発的、距離が近い・範囲が狭い
第3の特徴 単なる空気中の物理的変化(後処理物質がない。)
        人の普通の会話は、60 dB程度


《 航空機騒音は公共性や危険接近の理論が問題となる 》

騒音公害に関する苦情等の動向
直接人間が関知できる。
日常生活に関係が深い。
騒音・振動に関する苦情件数
  従来典型7公害中最も多かったが全体として減ってきている。
 ①製造事業所  ②近隣騒音  ③建築土木工事

法律による規制
公害対策基本法 → 環境基本法へ
実施法  典型7公害の法的規制
騒音規制法、振動規制法  
①工場及び事業場における事業活動に伴う騒音・振動
②建設工事に伴う騒音・振動
③自動車騒音 自動車騒音単体規制 道路運送車両法
道路周辺の生活環境 公安委員会等
(要請限度)

地域指定
1 都市計画法による用途地域区分ごと、土地利用の実態を考慮して指定
2 住居等の集合状況を考慮

改善勧告・改善命令
用途地域、時間帯区分ごとに基準値を設定
特定工場の立入検査→不適合→勧告・命令

公害防止に関する施策
助成 公害防止のため取得した設備
低利融資・特別償却、固定資産税の軽減
土地利用の適正化  工場と住民の分離
1 都市計画法による用途別区分
2 建築基準法による建築物の規制
測定の適正化 主観→規制のための方策→定量的な把握→JISに定める測定方法
計量法に基づく検定済計器を使用

1.2 主要な音源
騒音の広がり
地域における支配的音源はなにか 騒音には地域の特徴がある。
騒音レベルが高い地域・・・自動車騒音、工場騒音が支配的
騒音レベルが低い地域・・・自然音が支配的

①工場騒音
加害者がはっきりしている。
住工混在や住居地域、準工業地域(苦情の多くが小規模 対策難)
急速な都市化・・・郊外での工場騒音問題 学校は準工業地域にもできるので要注意
 規制基準の遵守・・・測定の実施→周期的変動、間欠騒音等→測定値の評価

②建設騒音
土木作業・建設作業・・・強大な騒音・振動の発生、一定期間内の発生

作業騒音・振動の基準の遵守、作業時間の短縮、低騒音機種の採用

③道路交通騒音
全国的な問題であり、環境基準・要請限度等の達成率が低い。
発生要因・・・車両(エンジン、排気ファン、タイヤ)、速度、加速度、交通量、道路構造

対  策
<1>自動車騒音規制 
<2>交通量抑制、道路周辺の整備 
<3>低公害車の普及
<4>遮音壁、低騒音舗装

④鉄道・航空機騒音
航空機騒音は、その音が非常に強大であり、上空で発生するため、その影響も広い範囲に渡る。
環境基準はあるが、規制基準はない。
⑤近隣騒音
工場や建設工事等の音源以外の騒音のことであり、商店・飲食店、家庭など地域と生活に密着した音が音源となる場合が多い。苦情件数は工場騒音を上回る傾向が見られる。
騒音レベル、発生頻度、音質が雑多。
発生者と苦情者との意識のずれ→生活体験の相違(迷惑をかけていると思っていない)、モラル・マナーの低下

1.3 音の聞こえ
耳の構造  
内耳は、音刺激によって興奮を起こす感覚器のある所で、音の真の受容装置
人間の可聴範囲
音:空気の構成粒子が進行方向と同じ方向に振動する波。疎密の現象が伝播する。
①周波数f=媒質の疎密の1秒間の繰り返し(ヘルツ)
②音速 c=1秒間に音が伝搬する距離
③波長 λ=c/f
可聴範囲  周波数20~20000Hz(中耳の機構がこれ以上の周波数を伝達できない。)
   最大可聴値は、どの周波数でも音圧レベルが大体120dB付近
①低周波 100Hz以下(低周波空気振動)
②超低周波 20Hz以下
③超音波 20000Hz以上

音はエネルギー
周波数が低かったり、高かったりすると音が聞こえにくくなる。
最大可聴値以上になると耳が痛くなる
3000~4000Hzの音が最も聞こえやすい。

音の大きさと音の大きさのレベル
音圧レベルと周波数の関係
  1000Hzの音の音圧レベルを基準とする。
聞こえる音の周波数と音圧レベル→音の大きさの等感曲線

騒音レベルと周波数補正特性
騒音計:音の大きさの等感曲線に基づき周波数補正を行った音圧レベルを測定
  A特性を適用

マスキング効果
聞いていた音が他の音で聞こえなくなる。最小可聴値のレベルが上昇する。

明りょう度
音節明りょう度試験  音声の聴取妨害の程度を測定する。80%以上がのぞましい。
音節 人が一つのまとまつた音として発生し得る最小単位
普通の会話への影響  55dB(1m)以上になると妨害がはじまる。

1.4 騒音の影響
騒音の影響
直接影響・・・騒音は主として心理的妨害であるが、聴力低下等の直接的な影響もある。
間接影響・・・身体症状、精神症状(不快な音であるため、強大でなくても心理的ストレスを発生)。
防御する行動・・・自分自身による解決 耳栓、遮音、引越し
対外的行動     苦情・陳情

聴力の低下
騒音の耳への影響・・・鼓膜の破損
一時性聴力低下(騒音による耳の疲労現象)
永久性聴力低下(耳が遠くなり回復しない。騒音の大きい職場での職業病)
聴力とその判定
人の耳・・・2000~5000Hzが最も鋭敏
オージオメータ 周波数ごとに聞き取れる音圧レべル(最小可聴値)を測定する。(正常値より大きい音でないと聞こえない→聴力の低下)
聴力・・・20才前後が最もよく、加齢と共に低下(加齢性難聴)
特に老人は老人性難聴  高周波数の音ほど聞こえない。
騒音による聴力の低下
4000Hzを中心に聴力低下が始まる。
職業性難聴の防止 労働基準法   就業の規制
労働安全衛生法 聴力検査、保護具の装着、作業
環境測定

心理的影響
心理的影響の種類
第1属性・・・Loudness 音の強さ
第2属性・・・Noisiness うるささ
第3属性・・・Annoyance うるささ~不快感、総合的な被害
聴取妨害 LAEq45dB(居間) 聴取妨害
LAEq35dB(寝室) 睡眠妨害
生活妨害 精神作業(仕事や勉強)能率への影響には、音の量-反応関係は明確でない   (精神の集中度による)。
作業内容・性別にも影響する。
学校保健の基準L5050dB以下


2 悪 臭 編
2.1 はじめに
においとは、嗅覚を刺激するもの
   通常 匂いとは・・・におい 、かおり(よいにおい)

①smell(かおり)
            scent(香水のようなかおり)
 fragrance(心地よい芳香、匂い)
②odor(かおり、一般的には化学物質など)

 臭い ・・・におい(くさいかおり)、臭気
ある程度くさいかおり 魚臭、悪臭
→ 悪臭・・・(耐え難いような)いやなにおい。
              不快なにおい。


2.2 においの感覚の特徴
嗅覚・・・5感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)のひとつ
     視覚・聴覚に劣る。  未解明な部分が多い。
① 感覚は、濃度と対数比例の関係がある。Weber-Fchnerの法則
② 順応(嗅覚疲労)がある。
③ 個人差がはげしい。
  悪臭公害の特徴として、
①主観的、②局所的、③物質、成分が多様、
④小規模事業所が多い   生活環境影響である。


2.3 悪臭規制(測定)の経緯
(1)測定と評価
 悪臭防止法
① 昭和47年施行 物質濃度規制(5物質)
アンモニア、メチルメルカプタン等
機器分析で対応。
→ 悪臭の主要な原因となっている物質であって、大気濃度を測定しうるもの。
② 昭和51年   物質濃度規制(3物質追加)
アセトアルデヒド、二硫化メチル、スチレン
③ 昭和59年   測定方法改正(アンモニア等の見直し)
④ 平成2年   物質濃度規制(4物質追加)
プロピオン酸等有機酸物質
⑤ 平成6年    物質濃度規制(10物質追加・計22物質)
アルデヒド類、トルエン有機溶剤等追加等
⑥ 平成7年    物質濃度排出水規制導入
⑦ 平成8年   嗅覚測定法(臭気指数)導入
官能法 3点比較式臭袋法
機器分析で対応しきれない。
嗅覚測定法の特長 複合臭に対応
(対策には、機器測定が必要な場合もある)
⑧ 平成11年 臭気指数規制気体排出口規制導入
⑨ 平成12年 臭気指数規制排出水規制導入

(2)臭気強度から規制値を評価
規制基準の設定について
臭気強度を6段階に分け、敷地境界の基準値の範囲を2.5~3.5とした。
0 ・・・無 臭
1 ・・・やっと感知できるにおい(検知閾濃度)
2 ・・・何のにおいであるかがわかる弱いにおい(認知閾濃度)
3 ・・・らくに感知できるにおい
4 ・・・強いにおい
5 ・・・強烈なにおい
   本県の基準値は、臭気強度2.5としての基準値である。 
   → 例えば、アンモニア1ppm 臭気濃度 10 臭気指数10
↓ (臭気指数=10×Log臭気濃度)
『住民の大多数が悪臭による不快感をもつことのないような濃度』
したがって、ある程度においがすることを想定する。

2.4 悪臭防止対策の概要
  悪臭防止のための考え方
現地調査の重要性
悪臭は発生源が、多種多様(場所・時間・場合が多数の組み合わせがある)なので、調査が大切である。必要に応じて、機器測定、嗅覚測定を実施する。
(1)作業内容の改善
① 臭気の発生の少ない原材料及び製品への変更
② 原材料、廃棄物等の搬入・搬出、保管方法の改善
③ 作業時間の変更、短縮
④ 作業場所の清掃の励行

(2)施設の改善
① 建屋の密閉化
② 生産工程、作業工程の密閉化
→ 作業の労働衛生面を配慮
③ 臭気発生施設の配置変更
  季節の主風向を考慮
④ 排出口(煙突)の位置、方向、高さ、形状の改善
⑤ 局所フードの設置
排気は原則として、悪臭
⑥ 排水処理施設等の維持管理の改善
⑦ 悪臭防止施設の設置、改善
吸着法、燃焼法、洗浄法、消脱臭法 その他
⑧ 排水路の設置、清掃又は暗きょ化

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